インプラントの後遺症

koisho.gifインプラント手術をした人の中に、唇などの下顎部分にしびれが残っている人がいると聞くことがあります。

本当にそういうことが起こり得るのでしょうか?

こちらでは、具体的な症状も挙げつつ、そうなってしまった場合の治療法や治療期間について触れてまいります。



 

下顎のしびれ

下顎骨には、約3oの下顎管が通っており、この管には幾つかの枝の小さい管が存在し、その中に下歯槽神経・動脈・静脈が走っています。また、お口の奥の舌側には舌神経が存在します。

インプラント手術の際に、これら神経に触れることがあると、傷がつき出血やしびれを来たす、いわゆる神経麻痺の状態になることがあります。

担当医も、骨の無い箇所への長く太いインプラント埋入は避けますし、手術の前には下顎管の位置をX線画像で確認しますが判別しにくいことが多々あり、神経麻痺を100%避けるのは難しいといえます。

現状の治療法は、マッサージや薬によって行われていますが、即効性はありません。症状は長引くこともあり、しびれの範囲は徐々に狭くなりますが、完全に回復するまでに数年かかることもあるようです。

インプラントの後遺症 70代女性の例

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神奈川の70代女性は、3年前に右の奥歯2本を入れ歯にしていたが、自宅近くの歯科医院の医師から「インプラントなら、自分の歯のように噛めて、おいしい物が食べられる」と勧められて、インプラント治療を受けた。

「健康でも何でも、食べるのが基本だから、歯を治そうと思って治した」と女性。

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ところが治療直後、右側の唇から顎にかけて、しびれて感覚がなくなる症状が現れる。

手を添えなければ、食べ物が口からこぼれてしまうようになり、さらに無意識に唇を噛み、たびたび出血してしまうようになった。


「ごはんも食べられないし、2キロぐらい痩せた」

koisho03.jpg この女性の場合には、インプラントが下顎の神経を圧迫し、しびれを引き起こしていた。

3年経った今も、症状は改善していない。
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現在女性を治療している歯科医師は、最初の治療でミスがあったのでは、と指摘。

「骨の量から考えると長いインプラントを埋め込むのには無理がある」と歯科医師。

 インプラントのトラブルは上顎の場合、比較的骨が薄いのでインプラントが突き抜けてしまい炎症に至ることがあります。

 下顎の場合には、骨の中を通る神経などを傷つけてしまう恐れがあります。

〜2012年1月18日放送NHK「クローズアップ現代」より