インプラントの被せ物がうまく噛めないことによるインプラント失敗の原因

インプラントの被せ物が、うまく噛めない原因は、多くの場合、インプラントの埋め込み位置の問題と全体の噛合せの問題により起こります。

埋め込み位置の問題は、インプラントの手術には、CTスキャンなどの 骨の事前診査が不可欠なのですが、この診査が不十分な場合、手術時に歯茎を開いてみたら、インプラントを入れる予定の位置に骨が十分に無かったという事も起こりえます。

そうなると、その場で予定とは違う場所や方向にインプラントを入れざるをえなくなり、結果として、インプラントの被せ物の位置が、理想的な噛合せではなくなってしまうことによって起こります。

また全体の噛み合わせの問題は、残っている天然の歯とインプラントの歯の噛み合わせの関係を十分検討しないで、インプラント治療を行うと、結果として噛めないインプラントを作ってしまう可能性があります。また、それによってインプラントのみならず、天然の歯にもダメージを与えてしまう可能性もあります。

インプラント失敗の治療例 (48歳女性)

implant-x-ray-210.jpg

他の歯科医院で、上の左右の奥歯にインプラントを1年前に入れた方です。インプラントの被せ物を入れた直後から、食べ物が良く噛めず、そのうち向かって左側の4本のインプラントを使ったブリッジが緩んできてしまいました。

インプラントを入れた医院で緩んだブリッジを付け直すのですが、何度付け直しても食べ物が良く噛めず、またすぐに緩んでしまうような状態でした。

また、向かって右側の2本のインプラントに隣り合っ           インプラント失敗の治療前

ている天然の歯が常に腫れている状態とのことでした。

レントゲンなどで診査をした結果、インプラント治療が

うまくいっていない下記のような様々な原因がわかりま

した。

インプラントで良く噛めない理由は、全体の治療計画を

たてずに、インプラント部分だけを作ったために、すべ て

の歯の噛み合せの高さが本来の噛み合せの高さよりも

低 くなってしまっていたのが原因でした。

また、インプラントブリッジが緩むのは、噛み合せの関係

で、インプラントブリッジに過度の噛み合せの力が掛かる

ことが原因でした。

右側の天然の歯が腫れているのは、レントゲン診査をし

た 結果、インプラントを骨に埋め込む位置と方向が悪く、

天然 の歯の根までインプラントの一部が達してしまって

い て、天 然の歯の根を傷つけてしまったのが原因でした。

 

 

 

 

implant-on-after-210.jpg右の写真は治療後の状態です。

噛み合せの高さを高くするために、インプラント部分だけでなく、従来からあった差し歯などすべての被せ物を作り直し、噛み合せの高さを高くしました。

インプラントで根が傷ついてしまった天然の歯は残念ながら抜歯しましたが、噛み合せの高さと歯並びを理想的な形にしましたので、バランスが良くなり、なんでも噛めるようになりました。    

作り直した左側のインプラントブリッジは、全体の噛み     インプラント失敗の治療後

合せのバランスが良くなったので、以前のような過度

の噛み合せの力が掛かることがなくなり、緩むこともな

くなりました。